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2019年2月22日金曜日

口だけだから心配ない…は誤解 咽頭は淋菌にとってすみやすい場所

【性感染症最前線】咽頭感染

新宿・歌舞伎町近くにある性感染症専門施設「プライベートケアクリニック東京」に、20代半ばのサラリーマンがやってきた。朝起きたらペニスの先から黄色い膿が出てきて、オシッコのし始めがえらく痛いという。典型的な「淋菌性尿道炎(淋病)」の症状だ。

 どこで何をしたか尋ねると、彼は自信たっぷりにこう答えたという。

「実は5日前にピンクサロンに行きました。でも、先生、セックスはしていませんよ。性病が怖いですからね。だから口だけにしておきました」

 尾上泰彦院長は「このようなケースが実に多い」と言う。

「『口だけなら安全……』なんて、とんでもない誤解です。男性の性感染症で最も多いのはクラミジア性尿道炎、次いで淋菌性尿道炎です。その最大の感染源は、ピンクサロンやファッションヘルスなど性風俗店でのオーラルサービスなのです」

 つまり、性風俗従事者(女性)の咽頭にクラミジアや淋菌が感染していて、フェラチオによって男性器に感染するパターン。咽頭感染は、のどの発赤や腫れなどの見た目や自覚できる症状がほとんどない。綿棒やうがい液を使って検査しないと感染は分からないので、気づかず他人にうつしてしまうのだ。

 特にオーラルサービス専門店では、クラミジアよりも淋病の方がうつされやすい傾向があるという。なぜか。

「咽頭は、淋菌にとってすみやすい環境だからです。口の中は常在菌が無数にいますが、その中にナイセリア属の細菌が何種類もいます。淋菌はナイセリア属なので、性器だけでなく咽頭も感染しやすいのです。しかし、クラミジアの咽頭感染も決して少なくないので、油断は禁物です」

 同院では、男女問わず性器淋菌感染者の約30%に、咽頭からも淋菌の検出が見られる。また、男性では性器の淋菌陽性率が咽頭よりも高いのに対して、女性では咽頭の淋菌陽性率が性器より高いという。

 その理由は判然としないが、クンニリングスよりもフェラチオの方が、男性器の形の特徴から尿道分泌物が女性の咽頭に直接到達しやすいからだと考えられている。

 性器と咽頭の同時感染では、治療で性器の淋菌が消失しても、咽頭淋菌が残存する場合もある。

「咽頭淋菌の治癒率が低いのは、淋菌が咽頭の上皮組織ではなく、粘膜層に存在するからです。投与された薬剤濃度の上昇が少なく、抗菌効果が得られないためと思われます。感染機会がなく再発した場合は、咽頭感染も疑う必要があります」

 淋菌、恐るべし。


日刊ゲンダイDIGITAL(2/21(木) 9:26配信)

2019年2月21日木曜日

淋菌とは男性感染者の95%に症状が出る性感染症の「王様」

【性感染症最前線】淋菌(1)

「先生、ペニスの先から黄色い膿(うみ)が出てきました。オシッコのし始めに痛みがあります。最近、風俗に行ったので病気をもらったようです」

 ある男性が性病を疑い、医療機関を受診したときのひとコマ。「淋(りん)病」と呼ばれる「淋菌性尿道炎」の典型的な症状だ。男性の性感染症では、クラミジアに次いで発症が多い。性感染症専門施設「プライベートケアクリニック東京」(新宿区)の尾上泰彦院長が言う。

「男性がクラミジアに感染して症状が出る人は約50%ですが、淋菌は約95%の人に症状が出ます。それに男性の淋菌性尿道炎は症状が激しく、誰が見ても症状がはっきり分かるので『感染症の王様』とも呼ばれています」

 尿道口から出るクリーム状の膿と、排尿初期痛。尿道口が赤く腫れることも多い。また、感染から症状が出るまでの潜伏期間がクラミジア(1~3週間)に比べて短く、2~7日で症状が出るので性交に心当たりがあればうつされたことが分かりやすい。これらの点が該当すれば、ほぼ淋病であることは間違いない。しかし、専門医を受診しないと治療をしても尿道炎がなかなか治らない場合がある。感染している病原体が淋菌だけとは限らないからだ。淋菌とクラミジアは同居しやすいという。

「潜伏期間が短く症状の激しい淋病は、尿道炎の原因菌ではボス的な存在。クラミジアも感染している場合、ボスがいる間はおとなしくしています。そして、治療で淋菌がいなくなると、『次は俺の出番』とクラミジアの症状が出てくるのです。このような淋菌治療後の非淋菌性尿道炎が30%くらいみられます」

 専門医であれば両方の遺伝子検査をしておき、淋菌(注射)とクラミジア(服薬)の治療を一緒に行うという。淋病の治療に注射薬を使うのは、服薬に対する耐性菌が多いためだ。

 ただし、ここまでの話は男性の淋菌性尿道炎のケース。女性の場合では淋菌の多くは尿道でなく、子宮頚管に感染する。そのため症状(淋菌性子宮頚管炎)が出る人の割合は、クラミジアと同じで20~30%程度。症状は、膿性のおりもの、不正出血、下腹部痛だが軽いので気づきにくい。

「女性の淋菌性尿道炎も尿道口から排膿があり、排尿時痛もあります。女性に多い膀胱炎との違いは、排尿中のいつ痛いか。膀胱炎はオシッコが終わるとき、尿道炎はし始めに痛みが出ます」

日刊ゲンダイDIGITAL(2/14(木) 9:26配信)