2022年10月27日木曜日

梅毒患者、初の1万人超え…予想超えるハイペース「不特定多数との性交渉控えて」

 性感染症梅毒と今年診断された患者数は23日までに全国で1万141人(速報値)に達し、現在の調査方法となった1999年以降、年間を通じて初めて1万人を超えたことがわかった。東京都感染症情報センターが27日に公開した国の集計結果から判明した。専門家は「若者に感染が広がっており、不特定多数との性交渉は控えてほしい」と話している。


2021年12月10日金曜日

「梅毒」感染爆発に気をつけろ 全国で34%増、東京で60%増

 新型コロナに気を取られているうちに静かに広まっている感染症がある。主に性行為によって感染する「梅毒」だ。患者数は2013年に全国で1000人を突破、今年は7000人突破が確実視されている。しかもこれまでは東京、大阪などの大都市圏での増加にとどまっていたが、最近は地方都市に広がっているという。「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(KADOKAWA)の著者で日本性感染症学会の功労会員でもある「プライベートケアクリニック東京」の尾上泰彦院長に聞いた。

「梅毒は今年に入り日本全国では約34%、東京では約60%増加。梅毒は全件数を1週間以内に届け出しなければならない5類感染症に指定されています。昨年の44週(~11月1日)までが4782人に対して、今年の同時期は6398人で、すでに昨年1年間(53週)の5784人を上回っています」

 驚くべきは東京の増加率。昨年の45週時点では1312人、53週で1579人だったのが、今年は45週までに2085人と昨年の1.6倍にまで増加している。

 また、これまでには報告数が少なかった地方都市でも増えていて、大分県では、2014年の1年間に5人だった感染者数が今年11月17日までに44人となった。うち20~40代が32人(男性25人、女性7人)となっている。

「東京都の梅毒患者報告数を男女別に見ると、10代(男性10人、女性38人)、20代(同374人、501人)までは女性が多いのに対して、それ以降は逆転。30代(417人、122人)、40代(379人、44人)、50代(171人、11人)、60代(39人、0人)、70代以降(21人、5人)と男性が圧倒的に多くなっています」


■10歳未満の感染者も

 東京都の報告で気になるのは、0~9歳の感染者が複数報告されていること。

「日本産婦人科医会が妊娠中の梅毒感染症に関する実態調査(2015年10月~16年3月)によると、19歳以下の妊婦の場合の感染率は537分の1に対し、20代は2449分の1、30代は8091分の1、40代以上は6012分の1と、若い女性の分娩妊婦の梅毒感染率が高くなっています。梅毒に感染した母体から胎児への感染リスクは60~80%と非常に高いことを男女とも知っておくべきです」

 日本の梅毒患者数は戦後すぐの1948年には年間22万人が報告されたが、抗菌薬「ペニシリン」の出現で激減し、1967年の1.2万人をピークに1997年には約500人まで減った。ところが、2011年から再び増加している。

「背景には観光立国を目指した日本に多くの外国人が流入したからではという説、出会うはずのない人と出会うマッチングアプリなどSNS説、不況で経済力のある男性と交際するパパ活説などがありますが、いずれもエビデンスはありません」

 今年の急増は、新型コロナで控えていた風俗店の利用が増えたとの見方もあるが定かではない。そもそも梅毒とはどのような病気なのか?

「梅毒は、細菌の梅毒トレポネーマが原因の感染症です。主に性行為やそれに類似する行為による接触で感染します。3~6週間の潜伏期間を経て性器にしこりや潰瘍ができ、放置すると全身に多様な皮疹、粘膜疹などが出現します。脳や心臓に障害が出たり、妊娠中に感染すると、母を通じて胎児に障害が出たり、死亡することもあります」

 2005~08年の米ニューヨークの報告では、MSM(男性間性交者)は、男女間の性交に比べて100倍、梅毒になりやすいことが報告されている。

梅毒の検査は2種類ある。感染初期に現れる潰瘍から直接トレポネーマを見つける検査と梅毒血清反応検査だ。前者はらせん状菌が見つかれば梅毒と診断される。ただし、検出率は悪く、手技も煩雑なため日常的には使われない。後者は梅毒があるかを見る定性検査と梅毒の程度を見る定量検査がある。

「梅毒血清反応検査は、原因菌であるトレポネーマに対する抗体を測定することで梅毒にかかっているかを調べる検査です。脂質抗原を使うSTS検査と梅毒病原体を抗原として用いるTP検査の2種類があります。STSではRPR法が使われます。この方法は感度が良く、比較的早期の梅毒も検出できる半面、梅毒に感染していなくても陽性と出る場合があります。一方、TP検査は特異度(本当に梅毒かどうかの信頼性)は高いものの、初期梅毒が見つけにくいことがわかっています。また、梅毒の血液検査では感染機会からある程度経過しないと判定できない時期があります。『ウインドーピリオド』と言います。このため、感染機会から4週間経過している場合はRPR法で、2カ月以上経過している場合はTP法で検査するのが一般的です」

梅毒が陽性の場合は、ペニシリン系の飲み薬を2~12週間服用する。服用後1カ月経過した時点で再度RPR法により抗体値の下がり具合を確認した上で、医師が治療完了を宣言する。

 なお、梅毒の世界標準治療である「ベンジルペニシリンベンザチン筋肉注射薬」(ステルイズ水性懸濁筋注)が今年9月に承認された。使えば注射一本で治療が完結することになる。


日刊ゲンダイヘルスケア 2021年12月10日掲載


2020年12月9日水曜日

秋田県内で梅毒感染者急増、人口100万人当たりで全国最多に

 秋田県内で今年、性感染症の「梅毒」の感染者が急増している。県保健・疾病対策課によると、今月8日時点の医療機関から報告があった感染者数は70人で、昨年1年間の2・5倍。国立感染症研究所がまとめた今年第3四半期(6月29日~9月27日)の人口100万人当たり感染者数は全国最多だった。医療関係者らは「疑わしい場合は早期に検査を受けてほしい」と呼び掛ける。

 県内の感染者数は現在の形で統計を取り始めた2006年以降、17年まで10人以下で推移。その後は18年16人、19年28人と増えた。今年の内訳は40~50代男性が27人、20~30代女性が15人と多い。男女比は男性が70%、女性が30%となっている。

 今年第3四半期の人口100万人当たりの感染者数(暫定値)は本県が28・4人。東京の27・2人を上回り、全国最多となった。

秋田魁新報社 電子版(会員向け記事)

2019年12月4日水曜日

女性の梅毒患者 1割近くが妊婦 初の実態報告

NHK NEWS WEB 
2019年12月4日 4時32分

性感染症の梅毒にかかったとして、ことし前半に報告された女性の患者のうち、1割近くが妊婦だったことが、国立感染症研究所の調査で分かりました。国内では近年、梅毒の患者が増えていますが、妊婦への感染の実態が分かったのは初めてです。
梅毒は、発疹などが出て、治療しないでいると神経のまひや血管の破裂を引き起こす細菌性の感染症で、ことし報告された患者数は、3日に発表された先月24日までのデータで5957人と、この20年間で最も多かった去年に続いて2番目の多さになっています。

梅毒は、妊婦が感染すると、子どもの目や耳などに障害が出るおそれがあり、ことし1月からの半年間に報告があった女性の患者、1117人について、国立感染症研究所が調べると1割近くの106人が妊婦だったことが分かりました。

調査の中で、6か月のうちに性風俗産業で仕事をしていたかと質問したところ、61人が回答し、56人はしていなかったと答えたということです。

また、妊娠初期には感染しているか検査が行われますが、感染が確認されたのが妊娠20週以降の人が26人いました。

妊婦への梅毒の感染の実態が分かったのは初めてで、国立感染症研究所の山岸拓也主任研究官は「夫やパートナーから感染した可能性があり、コンドームなどでの予防が重要だ。適切に治療すれば赤ちゃんへの影響を防げる可能性もあるので、症状がある人は早めに診察を受けてもらいたい」と話しています。
NHK NEWS WEB 
2019年12月4日 4時32分

2019年2月27日水曜日

【警告】日本で梅毒患者が激増中、“本当の性病原因”4選が恐ろしすぎる! 風俗の爆買い、主婦の浮気、小学生の性交まで…!

BIGLOBEニュース 11月19日(日)17時0分 tocana

現在、日本では梅毒の患者が急増中だ。その数は2年連続で4,000人を超え、現在の集計方法が開始された1999年以降、最大の患者数を更新し続けているという。とりわけ若い女性の患者が急増傾向にあるが、不特定多数の異性と性行為に及ぶほど感染リスクが高まることは指摘するまでもない。そしてもちろん、性行為によって感染リスクが高まる病気は、梅毒だけに限らない。そこで今回は、ホントに怖い5種類の性感染症と題して、ノンフィクションライターでありデータアナリストの筆者が実態を紹介しよう。


■梅毒
 まずは、冒頭で紹介した梅毒だ。患者が東京や大阪など大都市圏で多いことは過去と変わらないが、今年は熊本・岡山・広島など西日本の地方都市でも比較的多くなっている。患者の約80%は男性だが、近年では15〜24歳までの若い女性の間で特に増加しているという。原因菌である梅毒トレポネーマは、主に性行為によって性器や口などから体内に侵入、進行すると血液内へと入り込む。特に肛門性交では感染リスクが高まるとされる。
 コンドームの使用は感染予防に有効だが、それも完全ではなく、場合によっては性行為を伴わないキスでも感染する。症状には4段階あり、感染して約3週間後に感染部の皮膚や粘膜にしこりができ、やがて硬く盛り上がる。その後、3カ月〜3年が経つと発疹が全身に現れはじめる。かつては不治の病と恐れられたが、ペニシリンの登場以降は早期治療すれば重症化せず、ほとんど完治可能になった。梅毒を患っていた(またはその可能性がある)著名人には、アル・カポネ(ギャング)、ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(画家)、シラノ・ド・ベルジュラック(作家)などがいる。
■HIV
 2016年に日本で報告された新規HIV感染数は1011 件で、特に同性との性行為に及ぶ男性が目立つという。世界的傾向としては、日々の抗HIV薬服用で感染がほぼ予防できるようになり、各先進国で感染者数は激減しているため、日本の現状は不名誉なことだ。
 その原因だが、自分がエイズに感染したことを知らずに生活している人が多いためと考えられている。HIVに関する報道が少なくなったこともあり、社会全般の関心が低下し、検査を受ける人まで減少しているのだ。かたや欧米など先進諸国では、1人にHIV感染が見つかった場合、関係する人々全員も検査を受けることが公然のルールとなっている国が多い。また、同性愛者の感染に限ると先進国では総じて増加傾向にあり、特に日本で著しいとなれば、性行為の際のコンドームの不使用などが考えられる。肛門の粘膜は薄く出血しやすいため、性行為によるHIV感染率は高まるのだ。
■淋菌感染症(淋病)
 淋菌(りんきん)感染症といってもピンと来ないかもしれないが、これは日本でも古くから知られた性感染症の一つ、いわゆる「淋病(りんびょう)」のことだ。昨年の米国では、淋病・梅毒・クラジミアの感染者数が200万人を超えて過去最多となった。
 淋菌に感染すると、尿道に強い炎症や痛みが生じ、膿が出る。男性では排尿や勃起時に激しい痛みが伴うが、女性の場合、感染後は数カ月間にわたり自覚症状がないことも多いうえ、膀胱炎と誤診されることがある。しかし、これを放置すると菌が卵巣や卵管まで至り、内臓の炎症や妊婦であれば子宮外妊娠に発展することもある。
 2009年に日本で発見された「H041」という新種の“スーパー淋菌”は、既存の淋病の薬が効かず、現在急速に世界各地へと広まっているという。
■性器ヘルペス
 非常にポピュラーな性病。もしも感染すると、男性では亀頭部、女性では外陰部を中心に多数の水疱が現れ、やがて痛みを伴う潰瘍化。発熱、膀胱炎のような激しい症状が現れる。5人に1人が感染するといわれるが、一度かかると症状が収まってもウイルスが体内に潜伏し、完治せず再発を繰り返すことがほとんどで、“不治の病”となる。女性が初めて感染すると、排尿ができないほど激しい痛みを伴うこともある。
 ほとんどの場合、男女の性行為の際、粘膜同士の接触によって簡単に感染する。コンドームの使用は予防に有効だが、太ももやお尻にウイルスがある場合は防ぐことができない。しかも非常に感染力が強いため、たとえ性行為がなくても、患部へ触れるだけで感染するケースもある。
■子宮頸がん
 子宮頸がんは、厳密には性病ではない。しかし、厚生労働省によると原因とされるHPVウイルスには一般的に性行為によって感染するものだ。女性が一生のうちにHPVに感染する確率は、実に8〜9割と極めて高いが、通常は免疫により2年以内に自然排出されている。しかし、それが排出されずに長い年月を経るとがんに進行する可能性がある。つまり近年、20代や30代の若い女性の間で子宮頸がんが急増しているが、これは性行為の低年齢化が進んでいることを意味している。
 コンドームの使用に一定の予防効果は認められるが、外陰部や肛門への感染は防げない。HPVを男性が保持し、性行為によって女性へ移すことはごくありふれたことで、場合によっては男性自身の肛門がん、陰茎がんの原因となることもある。
■性病患者が増えている要因
 ここで改めて、現在の日本で性感染症が蔓延している原因について考えてみたい。
1. 性風俗の「爆買い」
 かつて、日本の風俗店のほとんどは「外国人客お断り」だった。しかし、不況が長引き客足が低迷する時代が続き、外国人も受け入れる店が増えてきた。現在、風俗業界で増加する外国人客の多くは、中国からの訪問者だという。性風俗の世界でも「爆買い」が起きているということになる。
2. 不倫する主婦の増加
 性感染症といえば、以前は風俗業界の女性たちが感染源となり、客である男性たちが感染するというイメージが強かった。しかし現状は、そうとも限らなくなってきている。日本では近年、人々の性に対する意識が開放的になってきたことで、特に主婦の不倫を含む性的交流が盛んになり、性病のリスクも格段に上昇しているのだ。
3. アンダーヘアの処理
 最近の日本では、陰毛をすべて脱毛する「ハイジニーナ脱毛」が広まりを見せている。しかし、米国の研究グループによると、陰毛を処理する頻度が高い人ほど性感染症のリスクが高くなるという。陰毛には、細菌やウイルスが性器に侵入するのを防ぐ役割があるため、このような結果になると考えられる。
4. 性病対策の知識がない小中学生の性行為が増加
 あまり考えたくないことだが、小中学生の間で、性行為をする子どもが増えているという。しかも、現在はLINEをはじめとするSNSの普及により、子どもと大人の性的接触の危険が広がりつつある。性感染症患者の多くは「自業自得」的要素が強いものだが、十分な避妊の知識はおろか性感染症の知識もない子どもまで、そのような表現で済ませることはできない。それでも、「変な男と会わないように」と日頃から注意している親自身が不倫に興じているとなれば、話にまったく説得力がないのも事実。要するに、「この親にしてこの子あり」という家庭環境の問題もあるわけだ。
 さて、このように悲惨な性感染症を防ぐ最善の策とは何だろうか? それは、実に簡単な話だ。独身であれば、不特定多数の異性との性交渉を控えること。また既婚であれば、夫婦が共に浮気や不倫をせず、生涯1対1の関係であり続けることにより、感染のリスクは低くなるといえるだろう。結局のところ、これはあなたの“モラルの問題”なのだ。
(文=百瀬直也)
BIGLOBEニュース 11月19日(日)17時0分 tocana

2019年2月25日月曜日

沖縄の梅毒患者 過去最多の67人 20代、30代の感染多く 性的接触で感染

沖縄県地域保健課は26日、2018年に県内で報告された梅毒患者は67人(21日時点)で、現行の集計方法になった1999年以降で最多となったと発表した。これまで最多だったのは17年の43人だった。梅毒は主に性行為で感染する。エイズウイルス(HIV)の感染が新たに判明した人は県内で19人だった。
 12月1日の「世界エイズデー」を前に、同課がHIVの感染者数を発表。感染経路がHIVと同じ梅毒の患者数も明らかにした。
 梅毒患者67人の内訳は男性58人、女性9人。66人は性的接触で感染したと推定される。残り1人の経路は不明。30代と20代の感染が多いという。

 HIVの感染が判明した19人は、男性17人、女性2人。診断時に既にエイズを発症している患者は6人だった。年代別に見ると30代が8人で最も多く、50代5人、20代3人、40代2人、20歳未満が1人だった。

 県内の各保健所では、予約をすれば無料・匿名でHIVの検査を受けられる。梅毒も同時に検査可能。世界エイズデーに合わせ、12月上旬は検査日を増やす。

沖縄の梅毒患者が過去最多 HIV感染者・エイズ患者数は過去3番目の多さ

2017年に県内の医療機関が性感染症「梅毒」として届け出た患者数は43人で、感染症法が施行された1999年以降で最多となったことが県地域保健課のまとめで分かった。男性が35人で女性が8人だった。今年は27日現在で15人(男性11人、女性4人)となっている。梅毒とHIV検査は保健所で予約制で無料、匿名で検査できる。

全国的にも2010年以降増加しており、17年は5820人で過去最多だった。同課は不特定多数との性行為を避けるよう注意を促し、保健所などで早期に検査を受けるよう呼び掛けている。
 梅毒は梅毒トレポネーマという細菌に感染することによって発症し、性行為のほか血液感染や母子間で感染する。しこりやリンパ節の腫れ、全身の皮膚や口腔こうくう内の発疹などの症状が出たり消えたりしながら、手足のけいれんや体のまひに進行。妊娠中の女性が感染すると、胎児に影響が出る原因となる。
 また、17年に届け出のあった県内のHIV感染者・エイズ患者数は前年より9人多い31人(HIV23人、エイズ8人)で過去3番目の多さだった。全員が男性で感染経路は同性間が21人、異性間が4人、6人は不明だった。今年は27日現在で7人(HIV5人、エイズ2人)となっている。

沖縄タイムス+プラス(2018年5月30日 05:00)